請求書作成
発行者情報・宛先・明細を入力すると、インボイス制度(適格請求書)の記載事項に沿った レイアウトの請求書をその場でプレビュー表示します。税率ごとの消費税は自動計算、 源泉徴収の有無も切り替えられます。作成した請求書はPDFとして保存できます。
請求書の記載要件と、このツールの計算方法
2023年10月に始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)のもとでは、買い手が消費税の 仕入税額控除を受けるために、売り手が発行する請求書が「適格請求書」の要件を満たしている 必要がある。要件を満たさない請求書自体は引き続き発行できるが、取引先が仕入税額控除を 受けられなくなる可能性があるため、フリーランス・個人事業主も記載要件を理解しておく 価値がある。
適格請求書の記載要件6項目
国税庁の案内(参考: 国税庁 No.6625「適格請求書等の記載事項」)によると、適格請求書には 次の6項目を記載する必要がある。このツールのプレビューは、この6項目が並ぶレイアウトで 請求書を組み立てる。ただし記載事項を実際に満たすかどうかは、取引内容の書き方など 入力の中身によるので、最終的な適否は発行者自身で確認すること。
- 発行事業者の氏名又は名称、および登録番号(「T」+数字13桁)
- 取引年月日(発行日)
- 取引内容(軽減税率の対象品目である場合はその旨がわかる表記)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額、および適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 交付を受ける事業者(取引先)の氏名又は名称
このうち「税率ごとに区分した消費税額等」の計算には、見落としやすいルールがある。 消費税額の端数処理は、1枚の適格請求書につき税率ごとに1回だけ行うと定められている (参考: 国税庁 No.6371「端数計算」)。つまり、明細1行ごとに消費税を計算して端数処理し、それを 合算する方法は認められない。このツールでは、まず税率(10%・8%)ごとに本体価格を 合計し、その合計額に対して1回だけ消費税額を計算して端数処理(切り捨て)する方式を 採用している。明細が多いほど、行ごとに丸める方式との差が積み上がって金額が一致 しなくなるため、この違いは実務上見過ごせない。
免税事業者の場合
課税売上高が一定基準以下の事業者は消費税の納税義務が免除される「免税事業者」となり、 インボイス発行事業者としての登録番号を持たない。登録番号がない事業者も請求書自体は これまでどおり発行できるが、その請求書は適格請求書には該当しない普通の請求書になる。 取引先(買い手)は、免税事業者からの仕入について仕入税額控除の適用に経過措置はある ものの制限を受けるため、事前に取引先と取り扱いを確認しておくとよい。このツールでは 登録番号欄を任意入力にしており、未入力のまま作成すればプレビューにも登録番号欄が 表示されず、通常の請求書として使える。
源泉徴収の書き方
原稿料・デザイン料・講演料など、個人が受け取る特定の報酬・料金については、支払う側 (取引先)が源泉徴収義務を負い、支払額から所得税及び復興特別所得税を差し引いて納付する 仕組みになっている(参考: 国税庁 No.2795「原稿料や講演料等を支払ったとき」、 No.2792「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」)。税率は支払金額が100万円以下の 部分は10.21%、100万円を超える部分は20.42%という2段階の計算になる。復興特別所得税 (2.1%相当分)は2037年12月31日まで継続する予定であり、10.21%・20.42%という数字自体 にすでに含まれている。
消費税を含む請求で源泉徴収の対象額をどう扱うかにも注意が必要になる。請求書に本体 価格と消費税額が明確に区分して記載されている場合は、消費税額を除いた報酬・料金等の 金額のみを源泉徴収の対象としても差し支えないとされている(参考: 国税庁 No.6929 「消費税等と源泉所得税及び復興特別所得税」)。原則は税込金額全体が対象であり、 税込金額だけを記載して本体価格と消費税額を区分していない請求書では、 税込金額全体が源泉徴収の対象になる。このツールは税率ごとの内訳を必ず表示する インボイス形式で請求書を組み立てるため、区分記載を前提とした税抜ベースで計算している。
源泉徴収の対象額には、標準税率10%の明細の税抜合計を使う。所得税法204条1項が対象と 定めるのは原稿料・講演料、弁護士や税理士等の報酬といった役務提供の対価であり、 軽減税率8%の対象(飲食料品の譲渡と定期購読新聞)がこれに当たることはないためである。 ただし10%の明細であっても、実費の交通費や物品の販売など源泉徴収の対象にならない ものはありうる。このツールには明細1行ごとに対象/対象外を切り替える仕組みがないので、 計算に使った対象額を結果パネルと請求書の両方に表示している。対象外の行が混ざって いないか、金額を見て確認してほしい。源泉徴収の対象範囲は所得税法204条で法律上 定まっており、対象かどうか迷う場合は取引先や税理士に確認するとよい。
このツールは計算の目安を提供するものであり、税務上の助言ではない。実際の申告・ 請求にあたっては、国税庁の公式情報や税理士等の専門家に確認すること。